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2026年春シンポジウム開催のご報告とお礼

  • 4月25日
  • 読了時間: 9分

「動物との触れ合いの価値と安全運用」をテーマに、オールペットの視点から専門家が語る


皆様、こんにちは。春の陽気に包まれ、新緑が美しい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

去る2026年4月4日(土)、ペットとの共生推進協議会は「インターペット2026」東3特設ステージにおいて、春のシンポジウムを開催いたしました。



本シンポジウムでは、皆様のご支援ご協力をいただき「ペットと触れ合う時間があなたの人生を変える―動物との触れ合いの価値と安全運用」をテーマに、多くの来場者をお迎えすることができました。立ち見が出るほどの盛況ぶりで、ペットとの触れ合いに対する関心の高さを改めて実感いたしました。


新しい試み―一般投稿動画×専門家コメントの双方向型シンポジウム


今回のシンポジウムでは、これまでにない新しい形式に挑戦しました。それは、一般の飼い主の皆様から事前に投稿いただいたペットとの触れ合い動画を題材に、各分野の専門家がコメントを寄せるという「双方向型」のスタイルです。



投稿された動画は21本。犬や猫はもちろん、爬虫類、両生類、小動物、さらにはヤギまで、まさに「オールペット」の視点から、多様な動物たちとの触れ合いの瞬間が映し出されました。専門家の先生方がそれぞれの専門知識を活かして、動画に込められた飼い主と動物の絆、安全な触れ合いのポイント、種ごとの特性などを解説する形式は、参加者の皆様から大変好評をいただきました。


豪華な登壇者陣―動物園・水族館・獣医・協会の第一線から


ファシリテーターには、動物エッセイストとしてご活躍のダックス小峰様をお招きし、シンポジウムを温かく、そして活気あふれる雰囲気に導いていただきました。



開会の挨拶では、ペットとの共生推進協議会会長の児玉博充氏が登壇し、約20年にわたる当協議会の活動を振り返りながら、


「ペットとの触れ合いがもたらす身体的・心理的・社会的価値」について総論を述べました。児玉会長からは「動物との触れ合いは、単なる癒しを超えて、人生を豊かにする力がある」


という力強いメッセージが参加者の皆様に語られました。



続いて、前かみね動物園園長で環境エンリッチメントNPO理事の生江信孝先生が登壇されました。生江先生からは「触れ合いの本質は双方向性にある」という重要な視点が示されました。動物への思いやりを持ち、相手の立場に立つことの大切さは、動物との関わりだけでなく、人間社会における相互理解にも通じるという深い洞察に、会場は静かに耳を傾けていました。




あわしまマリンパーク館長の伊藤裕先生は、無人島の水族館という特殊な環境で、安全で楽しい触れ合いイベントを日々運営されているご経験から、「触れ合いとは、必ずしも物理的な接触だけを意味するものではない。同じ空間を共有し、その空気を感じることそのものが価値なのだ」という新しい触れ合いの定義を提示してくださいました。この言葉は、これから動物を迎えようと考えている未飼育者の方々にとって、大きなヒントになったのではないでしょうか。




田園調布動物病院院長の田向健一先生は、犬や猫から爬虫類、両生類まで幅広く診療されている獣医師の立場から、種ごとの特性と環境管理の重要性を強調されました。特に変温動物である爬虫類や両生類については、温度・湿度・照明などの環境管理が生命線であること、誤った管理が急速な健康悪化につながることを具体例とともにご説明いただきました。また、「飼い主には慣れても第三者には危険な動物もいる」というカワウソの事例は、ペット化の限界と責任について考えさせられる内容でした。




日本爬虫類両生類協会理事長の白輪剛史先生は、触れ合い施設「カワズー」や「羽勝崎モンキーベイ」の運営経験から、安全な体感学習が動物への偏見を是正し、「普通の存在」として受け入れる土壌を育むことを熱く語られました。「ヘビはヌルヌルしていない」という誤解の訂正や、ハンドリングに不向きな種(ヒルヤモリなど)は観察中心のアプローチを推奨するなど、実践的なアドバイスは大変参考になりました。



投稿動画から見えてきた―触れ合いの多様性と奥深さ


【ここだけ!】一般投稿動画をご紹介^ ^

シンポジウムでは、投稿いただいた動画を次々と紹介しながら、専門家の先生方がコメントを寄せていきました。

犬の散歩動画に対しては、「歩行が困難になった犬でも、外気や匂いの刺激はメンタルヘルスに大きな影響を与える。散歩は運動だけでなく、嗅覚による情報収集として重要」というコメントが。猫の被り物動画には、「多くは我慢している可能性がある。短時間で、安全に配慮することが大切」という注意喚起がありました。


爬虫類の動画では、カメレオンの脱皮に関する質問に対して、「脱皮残りは湿度不足の可能性が高い。環境調整で改善する」という具体的なアドバイスが。また、「リクガメは急な環境変更を避け、徐々に最適化していくことが長期飼育の鍵」という長期的視点の重要性も示されました。


両生類については、「生体餌を好むため、ダスティング(カルシウムやビタミンの粉末をまぶす)やガットローディング(餌昆虫に栄養を与える)で栄養バランスを補完する必要がある」という実務的な情報も共有されました。


ヤギの動画では、「あくびや睡眠時のびくつきは生理的な現象として理解すべき」という解説があり、人間の感覚で動物の行動を解釈する危険性についても議論されました。

ヤギのフレーメン反応(上唇を引き上げる仕草)については、「これは生理的な反応であり、決して不快感を示しているわけではない」という説明に、会場からは「なるほど」という声が漏れていました。


安全と動物福祉の両立―施設運営の知見から


特に印象的だったのは、伊藤館長と白輪先生からの施設運営の知見でした。

伊藤館長は、イルカの餌やりイベントを例に、「動物の状態に合わせて柔軟に運用し、来場者の期待値をマネジメントすることが重要。参加枠は動物の満腹度や状態を優先して調整し、その理由を丁寧に説明することで、来場者の理解と満足を得られる」と語られました。

白輪先生は、「触れ合い施設では、動物—来場者—スタッフの三者でその場その場のルールを即座に設定する。安全と動物福祉(環境エンリッチメント)を最優先し、スタッフが媒介役となって適切な距離感を作り出す」という運営の極意を明かしてくださいました。

これらの知見は、動物園・水族館・ペットショップなどの業界関係者の方々にとって、大変示唆に富む内容だったと思います。


子どもの教育効果と社会的価値



生江先生からは、「子どもの体験は偏見を減らし、記憶の定着や探求心を促す教育効果が非常に高い。ただし、適性のある個体と専門家の指導が前提となる」というお話がありました。

また、児玉会長からは、「ペットとの散歩がコミュニティ形成を促し、社会的孤立を防ぐ効果がある」という社会的価値についても言及がありました。高齢化が進む日本社会において、ペットとの触れ合いがもたらす心理的・社会的サポートは、今後ますます重要になっていくでしょう。


「飼える動物」と「飼うべきでない動物」の規範整備へ


シンポジウムの後半では、野生性が強い種のペット化の限界についても議論されました。

田向先生は、「カワウソは飼い主には慣れても、第三者には危険な動物。野生性が強い種には、ペット化に限界がある」と指摘されました。また、白輪先生からは、「種の同定や毒の知識など、基礎教育が安全の鍵となる。飼える動物と飼うべきでない動物の区分と社会的規範の整備が、動物福祉と人の安全の両立に不可欠」という重要な提言がありました。


これは環境省をはじめとする行政機関、業界団体、そして私たち飼育者一人ひとりが向き合うべき課題です。


双方向性の予感―会場との一体感


シンポジウム全体を通じて最も印象的だったのは、会場の熱気と一体感でした。立ち見が出るほど多くの方々が集まり、スクリーンに映し出される一般投稿動画に、参加者の皆様が自分のペットを重ね合わせながら、専門家のコメントに耳を傾けている様子が伝わってきました。



「この動画、うちの子にそっくり」「なるほど、そういう意味があったのか」といった会場のつぶやきや、専門家の解説に対する共感の表情から、この形式が持つ「双方向性」の可能性を強く感じました。


一般の飼い主の皆様の日常の一コマが、専門家の知見によって新しい意味を帯びる。そして、それを会場の皆様が共有することで、ペットとの触れ合いに対する理解がより深まっていく。この循環こそが、私たちが目指す「共生」の姿なのではないでしょうか。


今後の展望―オールペットの視点で、触れ合いの価値を発信し続ける


閉会の挨拶で主催のペットとの共生推進協議会の理事であり、今回パネリストとして登壇してくださった白輪先生は次のように述べました。

「本日のシンポジウムを通じて、動物との触れ合いには、種を超えた普遍的な価値があることを改めて実感いたしました。犬や猫だけでなく、爬虫類、両生類、小動物、小鳥、そして家畜に至るまで、それぞれの動物が私たちの人生に豊かさをもたらしてくれています。

当協議会は、これからも『オールペット』の視点を大切にしながら、動物との触れ合いがもたらす身体的・心理的・社会的価値を社会に発信し続けてまいります。そして、安全と動物福祉を両立させながら、人と動物が真の意味で共生できる社会の実現を目指してまいります。

これから動物を迎えようとお考えの皆様、すでに動物と暮らしている皆様、そして業界関係者や行政の皆様、それぞれの立場から、この『触れ合い』の価値を一緒に高めていきましょう。」


この力強いメッセージに、会場は大きな拍手で応えました。


お礼とこれから


会場に足を運びご参加いただいた皆様、そして動画を投稿してくださった21名の飼い主の皆様のお陰で、とても記憶に残る素晴らしいシンポジウムを開催することができました。本当にありがとうございました。


今回の双方向型シンポジウムは、私たちにとっても大きな挑戦でした。しかし、皆様の温かいご協力と、専門家の先生方の熱意ある解説により、新しい形の「学びと共感の場」を作ることができたと自負しております。


ペットとの触れ合いは、決して一方通行ではありません。動物への思いやりと理解があってこそ、真の触れ合いが生まれます。そして、その触れ合いが、私たちの人生をより豊かに、より温かいものにしてくれるのです。


当協議会は、今後も年2回のシンポジウム開催を継続し、皆様からの動画投稿を常時募集してまいります。ウェブサイトでの発信も強化し、SNSを通じて、動物との触れ合いの素晴らしさを広く社会に届けてまいります。


また秋のシンポジウムでお会いしましょう。そして、インターペットでまたお会いしましょう!


関係者一同、心より御礼申し上げます。


【ここだけ!】春のシンポジウム動画を視聴できます^ ^

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